10
Mar. 2021
サトイモ
「収穫の秋」、「実りの秋」、「食欲の秋」・・・
食にまつわる秋の代名詞がたくさんあることでも分かるように、
秋になるとさまざまな食べ物が旬を迎えます。
子供から大人まで人気のイモ類もその一つです。
今回はその中から、「サトイモ」について取り上げます。
さて、それでは問題です。
サトイモの花はどれでしょうか?
答えは・・・
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Aの黄色い花が、サトイモです。
今回の花はすべて、サトイモ科の植物です。
なんと、コンニャクもサトイモ科なんです!
このコンニャクの花は、植えて5年ほど経過しないと咲かないそうで、大きさは1.5m以上になるのだとか。そして、臭いそうです。
見つけたら、ぜひ臭いを嗅いでみたいですね👃
それでは、サトイモの栄養から見ていきましょう!
大昔は主食として食され、江戸時代まではいもの代表格だったサトイモ。いも類の中ではカロリーが低いため、ダイエットにはオススメの食材です。食物繊維も多く、水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。
🥄カリウムたっぷり💧
サトイモには特にカリウムが多く含まれており、高血圧予防が期待できます。カリウムは水に溶けだす性質がありますが、サトイモのカリウムは主成分であるでんぷんに包まれているためあまり水に溶けださないようです。
🥄ぬめり成分にもいいことが✨
サトイモ独特のぬめりは水溶性食物繊維です。ぬめり成分のガラクタン(多糖類)が含まれています。ガラクタンには、腸内環境を整える働きや、免疫機能を向上させる働きなどがあると言われています。ガラクタンに関してはさまざまな研究が進められており、ますますいい効能が期待できる食材の一つです。
味を染み込みやすくするためには、塩もみや米のとぎ汁で下茹でするなどして、ぬめりを取り除く方がよいです。しかし、効能を考えるとなるべく残したまま調理しましょう。
🥄痒みの原因💦
サトイモを調理すると、痒みを感じることがあります。これは、ぬめりの中に入っているシュウ酸カルシウムが原因です。シュウ酸カルシウムは針状に結晶化した成分のため、これが皮膚組織に刺ささることでチクチクとした痒みを感じます。水気があるとぬめりが発生するため、泥のみ流水でこすり落とし乾燥させて皮をむくことで、余計なぬめりを発生させることなく痒みを予防することができます。
続いて、おいしい里芋の選び方についてご紹介します!
🥄泥付きでおいしさ保持👀
里芋の乾燥による劣化を防ぐために、泥付きのものを選びましょう。
他には…
①乾燥していないもの
②縞模様がはっきりしているもの
③丸みをおびているもの
④ずっしりと重いもの
⑤表面に傷がないもの
を選びましょう!
サトイモはデリケートな食材です。乾燥に弱いので、泥がついたままの状態で新聞紙にくるみ、冷暗所で保管しましょう。
腐ると全体的に柔らかくなり、溶け出したり、白カビが生えたりします。
切った際に変色している場合がありますが、紫色や灰色はポリフェノールの変化によるものなので食べることができます。切った後に黄色、オレンジに変色した場合は、表面の酸化によるものなので食べることができます。
参考文献
石々川英樹(2019年)、「栄養機能食品表示に向けたサトイモのカリウム含量に関する研究」、『愛媛県農林水産研究所研究報告』第11号、pp.29-35。
石々川秀樹・中川達也(2014年)、「サトイモ粘質物および多糖画分の性状」『愛媛県農林水産研究報告』第6号、pp34-38。
一般財団法人 教職員生涯福祉財団HP 「さといも(里芋)」https://www.kyosyokuinzaidan.jp/column/mimiyori/taro.html (2021年2月27日アクセス)。
若杉悠佑(2017年)、「米飯を主食とする日本人の食後高血糖を抑制する食事摂取方法に関する研究」pp.1-53。
白鳥早奈英・板木利隆(監)(2009年)、『もっとからだにおいしい野菜の便利帳 (便利帳シリーズ)』高橋書店。
堀牧恵・岩井和也・木村良太郎・中桐理・高木道浩(2007年)、「コーヒー豆由来アラビノガラクタンの腸内細菌に対する資化性」、『日本食品微生物学会雑誌』第24巻、第4号、pp.163-170。
中嶋洋子・阿部芳子・蒲原聖可(監)(2009年)、『完全図解版 食べ物栄養事典-この症状・病気に効くこの食品、この成分』主婦の友社。
農林水産省HP『さといものレシピ』https://www.maff.go.jp/j/kids/crops/taro/recipe.html (2021年2月27日アクセス)。
農林水産省HP 「消費者の部屋-さといもの煮物を食べたら喉に刺すような痛みを感じたのですが、どうしてですか。」https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2002/02.html (2021年2月27日アクセス)。
文部科学省HP「食品成分データベース-さといも-」https://fooddb.mext.go.jp/ (2021年2月27日アクセス)。