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May. 2021
適量が大切!中性脂肪!
中性脂肪と聞くと、太るイメージが強いですね。気になっている方も多いかと思いますが、悪いことばかりではありません。中性脂肪とは、どのようなものなのでしょうか?
🍰摂り過ぎ注意の中性脂肪⚠
中性脂肪はトリグリセリドとも言い、血液中に含まれる脂質の一つです。
中性脂肪は人にとって重要なエネルギー源であり、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の摂取に不可欠な栄養素です。基本的には糖質がエネルギー源として使われますが、糖質の量が少なくなると中性脂肪が使われます。余分な栄養は皮下組織や肝臓などに蓄えられます(厚生労働省(2015, pp.110-111)。その状態が続くと、肥満や脂肪肝を引き起こします。
また、中性脂肪が増え続けると、VLDLコレステロールの増加に伴い、LDLコレステロールの増加、HDLコレステロールの減少を招くことになり、動脈硬化が進行するため、心筋梗塞や脳梗塞などの病気を招く恐れがあります。
血中の中性脂肪の値が150㎎/dl以上になると高トリグリセリド血症として、脂質異常症の診断基準に含まれています。逆に不足すると、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸も不足する恐れがあります。
🍰食生活、生活習慣で改善⭐
中性脂肪が増えてしまう原因は食生活や生活習慣が関係しています。
脂質を食べ過ぎると、摂り過ぎた脂質が中性脂肪として蓄えられるため、食べ過ぎには注意しましょう。また、動物性脂肪(肉類や乳製品など)に多い飽和脂肪酸の摂り過ぎに注意しましょう。青魚に含まれるDHAやEPAなどのn-3系不飽和脂肪酸には、中性脂肪を下げる働きがあります。洋食は脂質の量が増えてしまいがちのため、なるべく和食を心がけましょう。油脂や糖分の多い菓子類の摂り過ぎに注意しましょう。
糖質も食べ過ぎると中性脂肪に変換されます。米やパン、麵などの炭水化物、いも類、果物などの摂り過ぎには注意しましょう。
食物繊維は中性脂肪を体外へ排出してくれる働きがあるため、積極的に摂りましょう。
喫煙も中性脂肪の合成を促します。また、アルコールは摂取量に比例して肝臓での中性脂肪の合成も進むため、脂肪肝の原因になります。過度な飲酒は禁物です。適度な運動(ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動)を定期的に行うことで、数値を改善することができます。
参考文献
厚生労働省HP「e-ヘルスネット『アルコールと高脂血症』」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-014.html(2021年2月14日アクセス)。
厚生労働省HP「e-ヘルスネット『脂質異常症』」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html (2021年2月14日アクセス)。
厚生労働省HP「e-ヘルスネット『脂質異常症(基本)』」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-012.html(2021年2月14日アクセス)。
厚生労働省HP「e-ヘルスネット『中性脂肪/トリグリセリド』」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-045.html(2021年2月14日アクセス)。
厚生労働省HP「e-ヘルスネット『LDLコレステロール』」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-072.html(2021年2月15日アクセス)。
厚生労働省(2015年)、「『日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会』報告書-Ⅱ各論、1.3脂質(1-3.消化、吸収、代謝)-」pp.110-111。
厚生労働省HP「e-ヘルスネット『メタボリックシンドロームのメカニズム(1)動脈硬化編』」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-02-001.html(2021年2月14日アクセス)。
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