01
Sep. 2022
笑ろてるパパがええやん Vol.13
「父親の思いと子どもの思いの交差点」
皆さんこんにちは。
今回は、先日のミーティングでお聞きした「あるパパの印象的なお話」を基に、
「父親の思いと子どもの思いに」ついて考えてみたいと思います。
Aさん
先日、家族みんなで断捨離をしていました。
すると9歳になる長男が「ウルトラマン捨てようか」と言うのです。
正直驚きました。というか、悲しかったんです。
このウルトラマンのフィギュアは、長男が3歳になった頃から必死に集めていたもので、
何かあるたびに「買って欲しい」とよくせがんでいました。
中古のフィギュアが売っているお店に行ったり、
時にはサプライズでプレゼントしたり。
自分の買い物は我慢して、買ってあげていたんです。
だからなのか、わからないですけど、それを簡単に「捨てようか」と言われた時は少しショックでした。
まぁ実際結構ショックでした。
どちらかというと思い入れがあったのは僕の方だったんでしょうね。
それでさらに驚いたのが、近くにあった段ボールで作ったガラクタのような望遠鏡を真似た製作物を捨てようとすると、
「それは捨てんといて」って言うんです。
いやいや、あれだけお金もかけて必死にかき集めたフィギュアより、そっちなん?って。
ほんま子どもってようわからんなぁって思いました。
この話を聞いて、「確かにそれよく聞くよなー」と思いました。
子どもにとっては、きっと自分で試行錯誤して頑張って作った段ボール製の望遠鏡が特別だったのでしょう。
子どもの成長を振り返ると、そういったことの連続のような気がします。
例えば習い事。
親が子どもの成長を考えて、あれもいいなとかこれもこの子にあっている気がするなと思い、習わせ始めたものって、その子が楽しめていたらいいですけど、そうじゃない場合親だけが満足しているケースってありますよね。
親が良かれと思っていることや、親が思い入れのあるものでも、子どもにとってどうなのかという視点が欠けてしまうと、子どもの思いを拾い上げながら成長を促すことはできないなとよく感じます。
それにしても難しいなと思います。
頭ではわかっていても、色々経験した親だからこそ、子どもにはこういうことしてあげたい、させてあげたいといったこと。
ありますよね。
この例もそうですが、オモチャもそうですよね。
買い与えたものより、自分で作ってみた手作りのものに愛着を持ちますよね。
高い知育のおもちゃを買ってあげたのに全然遊ばず、自分で作ったスポンジのおもちゃでよく遊んだり。
きっと子どもの成長に大事なのは、「主体的な経験」なのではないでしょうか。
自分がやりたいことや関わったこと、考えたことや頑張ったことは覚えているし、その経験こそが大きく成長につながることを何度も目にしてきました。
だからこそ、父親としては子どもの思いを大事にしてあげたいなと思います。
でも、最後にAさんが言ってたのが
「あっ、でもね、ひとつ嬉しかったのが、2つだけ捨てんといてっていうて手に持ってたやつがあったんです。
1つが僕が初めて買ってあげたウルトラマンで、もう一つが出張帰りにサプライズで買って帰ってきたウルトラマン。
あの子にとってはなんか特別なんやろうなって」
そうなんですよね。
きっとそのウルトラマンと一緒にあった笑ろてる父親が息子さんの記憶に残っていたのでしょうね。
他にも習い事を頑張る子どもたちの中に「パパも頑張って応援してくれてるし、一緒に練習したりもしてくれてるから頑張りたい」と言っていた子どもにも何度も会いました。
子どもの思いを大事にしつつ、でも父親も子育ての主体ですから。
一緒に楽しむことが大事ですよね。
そして、一緒に考えたり楽しんだり共有した時間。
その中でいろんな思いが交差するのだと思います。
それが「父親の思いと子どもの思いの交差点」。
たまには、子どもにどんな父親の笑顔が記憶に残っているのか、聞いてみてもいいかなと思った今日この頃です。
株式会社 大阪メック 取締役
(一社)倫理研究所 泉州倫理法人会 会長
堺市男女平等参画推進審議会委員他 元地元小学校PTA会長、おやじの会会長、
仕事は「父親業」
パラレルキャリアとして、
NPO法人の運営、ものづくり企業、産業部品商社の経営、
地域創生活動に参画。
子どもが生まれた当初、「仕事をもっと頑張らねば」とがむしゃらに働くが、「子どもとの時間は期間限定」とかみさんより教えてもらい、働き方、ワークライフバランスを変えていく。
子育てを通して、子どもは地域へのパスポートだと知り、PTAや地域活動に参画。
子どもの成長に合わせたライフデザインを再構築。
現在は、関西各地にて父親の地域ネットワークづくりを推進中。
【専門家コラム】
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