03
Apr. 2021
ハクサイ
冬の時期の鍋料理には欠かせない白菜。
霜が降りる頃から冬にかけての旬の白菜は、より甘みも増し美味しくなります。
今回は、そんな「白菜」を取り上げます!
さて、それでは問題です。
白菜の花はどれでしょうか?
正解は?
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白菜はアブラナ科の野菜。
キャベツやナノハナ、大根など、アブラナ科の野菜は色々と種類がありますが、どれも十字型の花をつけます。
後程ご紹介しますが、アブラナ科野菜には死亡リスクを低下させる効果があるという報告があります。
色々なアブラナ科野菜を、たくさん食べたいですね🍲
それでは白菜の栄養から見ていきましょう!
中国の不老長寿の薬膳の教えから引用され、精進料理では冬の養生三宝のひとつとして挙げられています。少しずつではありますが、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素をバランスよく含んでいます。
🥬たっぷり食べても低カロリーで安心🍴
約95%が水分のため、100gあたり14kcalと低カロリーの野菜です。
カリウムが豊富に含まれているため、ナトリウムを排出し血圧を下げる効果が期待できます。
ビタミンCはレタスの約4倍多く含まれています。美白効果、免疫力アップが期待できます。
カリウム、ビタミンCともに水に溶け出すため、鍋やスープなどの際は煮汁ごと摂取できればより効果が期待できます。
内側の葉の部分がオレンジ~黄色のオレンジ白菜(品種名:オレンジクイン)は、普通の白菜に比べ甘みが強く、栄養価も高いです。オレンジ色のカロテノイド色素の仲間であるシスリコピンという成分が含まれています。リコピンは2種類に分けられ、その一つがシスリコピンです。リコピンとほぼ同じ効能がありますが、驚くのはその吸収率です。リコピンの2.5倍も高くなります。また、脂溶性のため、炒め物やオイルドレッシングなどとともに食べるとより吸収を高めることができます。
🥬アブラナ科野菜で死亡リスク低下✨
白菜はアブラナ科の野菜です。アブラナ科の摂取量が多い人は、男女ともに全死亡リスクが低く、男性の喫煙者ではがん死亡リスクが低下するという報告があります。アブラナ科の野菜に含まれるイソチオシアネートは抗発がん、抗炎症、抗酸化活性があるため、これが慢性疾患を予防する働きを持つことが期待されています。
イソチオシアネートは辛味や苦味を醸し出しており、もともとは野菜が外敵から身を守るための仕組みと考えられています。白菜はそれを感じにくい野菜ではありますが、たまに先祖返りという現象が起こり、原種に近い状態のものができてしまうようで、苦味を感じることがあります。
大根やキャベツ、ブロッコリー、小松菜、チンゲン菜などもアブラナ科野菜に属します。イソチオシアネートは加熱に強いため、炒め物や煮物でも問題なく摂取できます。
続いて、おいしい白菜の選び方についてご紹介します!
🥬 重さと葉巻きが鍵👀
おいしい白菜は…
①ずっしり重いもの
②外葉がしっかりと巻き、上が閉じているもの
③上部を押すと弾力があるもの
④切り口が白く新鮮なもの
を選びましょう!
カットしたものは、断面の芯の高さが1/3以下で、葉がぎっしりと詰まっているものを選びましょう。古くなると、切り口(特に中心の部分から)が盛り上がってくるので、平らなものが新鮮と言えるでしょう。
白菜の芯の部分は葉の生長を促すため、鮮度が落ちてしまいます。白菜を丸ごと1個保存する場合は、外葉ごと新聞紙などで包み、冷暗所で立てて保存しましょう。冬の涼しい時期であれば、必ずしも冷蔵庫へ入れなくても保存が可能です。玄関やベランダ、暖房を使用しない部屋など、風通しがよく日光の当たらない、涼しい場所を選びましょう。
カットしたものを保存する場合は芯を取り除きましょう。その部分に水で濡らしたキッチンペーパーを挟み、ラップで包みます。冷蔵庫に立てて保存しましょう。
白菜は冷凍保存も可能です。使用用途に応じてカットし、チャック付きポリ袋などに入れて冷凍しましょう。
腐ると周りや中心部が黒ずんできます。茶色く変色し、ドロッとした状態で汁もでてきます。
白菜表面に黒い斑点があるものを見かけることがあると思いますが、これはゴマ症と言われる生理障害です。生育過程でのストレスが原因で色素(ポリフェノール類)が蓄積し、黒い斑点状になると言われています。食べても問題ないので、その部分を除く必要はありません。
参考文献
国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ、「アブラナ科野菜と全死亡および疾患別死亡との関連について」https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8153.html(2021年11月13日アクセス)。
JA常総ひかり「特産品紹介ー白菜」https://www.jahikari.or.jp/product/hakusai/(2021年2月27日アクセス)。
柴田貴広・内田浩二(2018年)、「イソチオシアネート化合物 ーアブラナ科野菜に含まれる機能性食品成分ー『農業および園芸』」、p.389-395。
白鳥早奈英・板木利隆監修(2009年)、『もっとからだにおいしい野菜の便利帳(便利帳シリーズ)』高橋書店。
タキイ種苗株式会社「オレンジクイン」https://www.takii.co.jp/CGI/tsk/shohin/shohin.cgi?breed_seq=00000225(2020年11月13日アクセス)。
独立行政法人農畜産業振興機構「今月の野菜-はくさい-」https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/1011_yasai1.html(2021年2月27日アクセス)。
農林水産省HP「消費者の部屋通信」令和2年10月号https://www.maff.go.jp/j/heya/annai/tusin/attach/pdf/index-79.pdf(2021年8月26日アクセス)。
萩野喜之(2011年)、『野菜まるごと大図鑑』株式会社主婦の友社。
藤田敏郎(2015年)、「海水・塩の研究最前線Part2『食塩・カリウムと高血圧』」、『公益財団法人ソルト・サイエンス研究財団シンポジウム』第10号、pp.12-14。
松本美枝子(1991年)、「ハクサイゴマ症の発生とその防止法に関する研究」『富山県農業技術センター研究報告』、第11号、pp1-92。
文部科学省「食品成分データベース-はくさい-」 https://fooddb.mext.go.jp/index.pl(2021年2月27日アクセス)。